ため息ひと息ココロイキ "galactica magnum @ 梅田歩道橋上ストリート"...[ 2002.11.15 ]より
ここのところ、ずっと警察に止められてまともにストリートライブが出来ていない。
そんなこともあってか、今日この日をもって一時休止するらしい。
一時休止。。。
事実上の終わりなんだろうなと、思う。
これから寒くなる冬がイチバン警察に止められにくい季節に入る。
止めれにくい寒い季節に入るのに一時休止にして、
暖かい春になったからといってまた以前のように毎週、そうでなくても隔週でもするだろうか?
もういつまでもストリート中心で活動を続けていくのではなく、もっと上に、彼らは行かなくちゃいけない。
いつかこんな日がくると思っていた。
本当いうと、去年いっぱいで終わるものと思っていた。
だからこそ、去年の今頃のワタシはあせっていた。
このストリートこそが今ある彼らの原点ならば、
この瞬間の彼らをワタシなりに撮りあげたい、そう思って始めたことだから。
うまく撮れないもどかしさ。
撮っても撮っても撮りたらなくて、いつまでたってもまともに撮れない。そう思っていた。
それでもワタシは止まらずに、撮りつづけていた。
今年に入って、隔週になった。
毎週かならずあったストリート。それが隔週になる。へんな感じだった。
笑うかもしれない。
今、ワタシがこうしてライブ写真を撮りつづけているのは、全ては彼らから始まった。
それは紛れもなく本当だ。
カメラが好きなわけでも興味があったわけでもない。写真に興味があったわけでもない。
ライブをする彼らを、綺麗に撮りたいからでもない。
その瞬間を、ただただ収めたいからでもない。
ワタシにはこの方法しか思い付かなかった。この方法しかなかった。
ワタシに詩が書けたら、詩を書いただろう。
ワタシに歌がうたえたら、歌をうたっただろう。
ワタシに絵が描けたら、絵を描いただろう。
彼らに対する敬意と愛情と、彼らの紡ぎだす音の世界、その空気感、その情熱、
それらをどう表せばいいだろう?そう考えて考えて考え抜いた結果が『写真』だった。
カメラさえあれば、後はファインダーから自分なりに写し込んでいく作業。
詩よりも歌よりも絵よりも、彼らとワタシ自身両方とも、表現できそうな気がした。
始めは、彼らだけを撮っていた。
しかしそれだけでは、彼らを撮り続けるだけでは、ワタシはダメなんだと気付いた。
いろんな経験といろんな条件下で、自分なりに撮っていく。
その全ての経験は、必ずきっとワタシ自身の実となって返ってくる、そう信じて。
いろんなバンドさんに声をかけては撮らせてもらった。
このHPに載せてるバンドさんだけじゃない。もっともっと撮らせて頂いている。
その中で広がる世界。いろんな出逢い。今もワタシは勉強しつづけている。
このストリートが終わったら、ワタシはカメラを持つのをやめるだろう、と思っていた。
ストリートが終わったら、全てが終わる気がしてた。
その、ストリートが終わる。
ワタシはきっと泣くだろうと思っていた。
どう撮るんだろうと、ぼんやり思っていた。
思えばかれこれ一ヶ月はストリートを撮っていなかったから。
それでも、あまり深く考えてはいなかったかな。彼らが目の前でライブをする。それをワタシは撮る。
ただ、それだけやもん。
いつものようにストリートが始まる。
最後とあってかいつもより、人が多い。最後をききつけて駆けつけた人も多いだろう。
むちゃくちゃ楽しかった。ただただ楽しかった。
無数にあるストリートの写真。
この最後の写真がおなじようにならないように、慎重に、
今わたしが出来うる限りの全てを活かせるように、悔いのないように、
フィルムは惜しみなく、でも無駄もなく(笑・これがむつかしいんやけど)、とにかく撮る撮る撮る。
警察にも止められずに2ステージこなす。
近頃じゃ1ステージ終わるか終わらないかで止められてたから、
それを思うと止められずにここまで出来るのは凄い。
CRAM-BOの時は、昔よく観ていたイチバン後ろから観ていた。
2ステージ目のCRAM-BOが終わったら、警察がやってきた。
すごい。全てが終わってから警察がやってきた。
galacticaはもう一回するような感じだったけど、これにて終了。
なんだかこれも(警察がくるのも)、このストリートの一部のような気がする。
そして演奏中に止められることなく全てを終える。素晴らしい。神様ありがとう。
すごく楽しかった。
楽しくて、幸せやった。
その時思った。
"終わるんじゃない、始まるんだ"って。
そう、何かが始まるような気がした。やっと始まった気がした。
だから、泣くなんてこともなかった。
これから何かが始まるのに、終わるのを嘆くのはおかしいもの。
ワタシにカメラを持たせた彼らのストリートは終わるだろう。
でもワタシはライブ写真はやめないカメラを持つことをやめない。
やっと始まったばかりなのに。
そう、これから。
ワタシは彼らを、まだ何も撮れてはいないんだから。